金持になると民主化する（１） [随想]
金持になると民主化する（１）
これからの世界と民主主義(翻訳）
(アメリカの大学にいる古くからの友人が久しぶりに日本を訪れた手土産に小さい本をくれた、「これ面白いから読んで、後で感想を聞かしてくれ」とのことであった次の本である）
The Future of Freedom; Illiberal Democracy at Home and Abroad
by Fareed Zakara: w.w.Norton&Compny.,N.Y.(2004)
この本はNew York Times Bestsellerとしてよく売れた本である。要するにこれまで民主主義というものが宗教、国家などのさまざまな組織の中で如何に歴史的に育って来たか、或いは過去の経験からして何がそれが阻止することになっていたのか、そしてこれからの世の中がより広く開かれた民主的になって行くであろうが、一方でアメリカのような既に民主的といわれている国がこれからどのようになって行くであろうか、などなどこれまでの過去を振り返って、これからの姿を考えてみたものである。それと並んで、皆の幸福というものがどのような姿を持つものと考えられるかという問題を提起している。・・・・
このＨＰは2006年に書かいたものだが、今これを紹介するのは：
ホームページにある「ノーベル平和賞を劉さんに」という項目にもここにある内容について触れている。最近のエジプトをはじめとしての中東諸国における激しい反政府デモについても、石油からの利益を基にしての生活向上の結果として、何十年もの間の独裁政権から離脱して民主主義への脱却を図ろうとする動きについて、この書の言う「生活レベルが向上すると民主主義に向かう」ということが現実の問題として非常に参考になるのではあるまいか。 （2011年2月18日）
本文
民主主義が過去にどうなってきたか、フランス、イギリス、ドイツその他数々の国々ではそれぞれの立場でどのような国家体系が作られてきたか、それぞれの国の特徴や経済事情、国民性などに基づいた議論がある。ヨーロッパの小さい国々での歴史もそれなりに興味があるが、私が一番興味を持って読んだのは、例えば、中国で｢自由｣と言うものがこれからどのように育っていくのか、アメリカが抱えるこれからの民主主義の問題点などである。私の個人的な観点からすると、これからのコンピュータの時代に｢世界化｣が飛躍的に進む中で自由を求める政治形態が如何に変化をして行くか、多分この本の著者が過去を基にして将来を考えているものよりも遥かに早い速度で、もっと違った世界へと発展していくであろうことである。
幾つかの興味ある事項を拾い上げてみる。1959年にSeymour Martin Lipset はつぎの言葉を残している、「The more well-to-do a nation, the greater its chance to sustain democracy」つまりうまくやっている優れた民族ほど民主主義社会になりやすい、と言うのである。Adam Przeworskiと Fernando Limorgiの統計によると、1950年から1990年までの間での世界すべての国を調べてみると、一人当たりの年収が1500ドル以下の国では民主主義の政治は平均8年しか持続されなかったが、1500ドルと3000ドルの間になると平均18年、6000ドル以上になるとずっと長く存続している。9000ドルを越した国は例外なく民主主義の政治形態を持続していると言う。しかし、この50年間でリベラルな独裁体制で比較的にうまく低開発国から上がってきた国は、台湾、韓国、シンガポール、チリ、インドネシア、中国などで、高い経済成長を成し遂げ、識字率、平均寿命、教育水準の向上も成功している。 次回に続く
金持になると民主化する （ＨＰへ）
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おはようございます＾＾
これから世界がどうなるのか、興味の尽きないところです。
特にお隣であまり急激に変化すると、日本への影響がどうなるのか・・・
日本でももう少し大きな視野で議論されないといけないですよね。
何だか今の日本はコップの中でゴチャゴチャやっている・・・（＿＿；
by mimimomo (2011-02-27 09:55)
まさに「IT革命」という言葉がピッタリの世界、中国は民主化を希求する若者を押さえきれるでしょうか。
続きを楽しみにしています。
by Silvermac (2011-02-27 10:08)
お早うございます。
とても分かり易くて、勉強になります(・_・)(._.)
これから世界はどうなっていくのでしょう〜
by yakko (2011-02-27 10:28)
議会制民主主義の弊害が出てきています。
by Baldhead1010 (2011-02-28 05:19)
まさに今、激動ですね！
by 袋田の住職 (2011-02-28 09:05)