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ノーベル平和賞を劉さんに(3) [随想]

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ノーベル平和賞を劉さんに(3)

ノーベル平和賞を劉さんに(1)から:

 2010年のノーベル平和賞を中国の民主活動家の劉暁波さんが受賞することになったという報道が10月9日の新聞に報道された。劉さんは2008年12月に中国の共産党体制の廃止や三権分立、集会の自由、一党独裁体制の廃止などを求めたいわゆる「08憲章」(中国の作家303人が署名)を書いた中心的人物として、また以前にも天安門事件の活発な指導者などで身柄を拘束されたこともあり、懲役11年で服役中の人物である。中国は平和賞の行方の気配を予め知ってノルウェイを事前に政治的な脅迫をしてはいたが、平和賞の委員会はそれを無視して、劉さんに決めたのである。(以下略)

 

(本文)

 中国の高校生たち若い連中に将来に夢があるかと問うと90%以上が「ある」、と答えるという。(ちなみに仏、米国辺りでは60%、日本では30%辺だと聞く。)本ホームページの中に中国を初めて訪れた折の事が述べてあるが、北京、上海の街中で、我々の自動車が、歩いている人々や自転車を警笛を鳴らしながらかき分けるようにして通っていたことを思うとその後の発展がよく分かる。その後清華大学に行った折も自家用車を持つ教授たちが少なくなかったし、あの汚い小さい家で満ちていた上海にNew Yorkのような百階以上の高層ビルが聳えているのでも分かる。しかし、経済的に世界第二になったと言っても日本の十倍の人口を抱える大国である。それだけに世界的にも大変に大きな影響力を持つ国になっただけに、これから生活レベルが上がって来るほどに何時ごろ如何にして民主的に政体が変わって行くかは大変に興味があり、また重要な事柄でもある。ソ連がロシアになった経過も参考になり得る。

 現在アメリカの大学院で化学を学んでいる中国人は五百人近くいるという。(日本人はその十分の一しかいないそうであり、国際化の問題としても深刻な話題になっている。)アメリカで学位をとった中国人の相当な部分はアメリカに居残ることを望むらしいが、中国の大学も増え、そのレベルも経済的発展と共に上がってくるので、アメリカで学位をとり、親米的になった連中がこれからの中国の新しい指導者としてアメリカなどとも協調して活躍するであろうことは目に見えている。現在は国際化の時代であり、中国国内だけで外部からの雑音を全て排除することも時代と共に難しくなって来ることは明らかである。この度の「ノーベル平和賞」もその一つになっている。世界の常識が国の枠を超えて風通しがよくなって来ているのである。今回もノーベル平和賞の選考委員長が言っていた。「過去の例としてもこれまでアメリカのキング牧師やソ連のサハロフ博士などに平和賞が行って、その後にアメリカの人種差別やソ連の政治体制などの人権の復活に著しく貢献している。今回もその例になることを望んでいる」と。確かに「黒人」が大統領に選ばれるなど昔のアメリカでは到底考えられなかったものである。私にとってはあの酷しい「四人組の時代」の締め付けから解放されて、「心が本当に自由になりました」という嬉しそうな明るく希望に満ちて輝いていた眼つきが忘れられないだけに、果たしてこれから如何に中国が民主化して世界化するか大変に興味があり、また重要なことでもある。    (20101018日)  

 ついでに付け加えると今度中国の後継主席に決った習近平氏は我々が1975年文革時代に清華大学を訪れた時には多分当時の共産党に忠実であるということで清華大学に入学していたらしく、前年の1974年に「文革時代の共産党」に21歳で入党しており、清華大学の化学工業科を卒業している。第二回目に訪中した1979年に「四人組時代」から大変革した後に中国共産党の党務に就いたという。「四人組時代」の中国共産党に入党し、生まれ変わる大変革をした後の党の党務に就いただけに、多分「中国共産党」の大変革に携わったことがあるらしい。    (20101019日)

 ノーベル平和賞を劉さんに (HPへ) 

参考までに: このHPの(9)中国と民主主義( ●日本と中国(中国訪問記); ●民主主義の将来)


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コメント 8

Baldhead1010

古くて新しい国・・・中国ですね。
by Baldhead1010 (2010-11-03 05:32) 

旅爺さん

結局ノーベル平和賞はどうなるんでしょうね?
私は天安門事件直後に40日間北京に出張でしたが、怖さはありませんでした。
by 旅爺さん (2010-11-03 08:52) 

mamii

機能も書きましたが、一党独裁をやめないと民主的になりませんね。
by mamii (2010-11-03 12:54) 

mimimomo

こんにちは^^
中国の問題はとても大きいですね。北京やその他海沿いの町と
内陸部との貧富の格差も然り。
民族的にもかなり多民族。
国内に亀裂が生じなければ良いですが。隣国としては怖い存在の国です。
by mimimomo (2010-11-04 12:11) 

kazoo

私が中国科学院の招待で訪中団の一員として、中国(北京、西安、上海、杭州)を3週間にわたって訪れたのは1977年10月でした。ちょうど先生の1回目と2回目の間にあたります。見て欲しいところと見て欲しくないところがはっきりしていました。一流大学ほどダメージは大きかったようで、北京大学も清華大学も断られました。上海の復旦大学はやっとでしたが、ダメージは大きかったようです。むしろ科学院の研究所の方が快復は早かったようです。女性の団だったので、女性の年配の研究者と通訳なしで本音を若干聞けました。その後の発展もみてきました。広い国です。国民性が違いますし、過去の歴史、世界の情勢をみてもどう飛躍するかわかりません。目が離せない国です。
by kazoo (2010-11-04 16:13) 

tanaka-ma3

ノルウェイ、やるなぁ。
by tanaka-ma3 (2010-11-05 13:35) 

Silvermac

中国は、平和賞受賞式に各国大使が出席しないように警告していますね。
by Silvermac (2010-11-08 17:26) 

yakko

こんばんは。中国は恐い国ですね〜
by yakko (2010-11-15 21:22) 

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