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触媒討論会第100回を記念して(3) [随想]

触媒討論会第100回を記念して(3) 9月17、18日(北大にて)

速度論とか、化学量数などの言葉がでてきますが、ご専門でない方はその言葉は素通りしてください。後を読むのに、問題はありません。

 触媒討論会が始まった第一回は1951年北海道大学で行われております。触媒の分野の研究は歴史的にはそれまで京都大学の堀場先生のところや、理研など幾つかのところで散らばって研究が営まれてはおりましたが、全国的な一つのまとまった討論会として始まったのは、1951年で、はっきりいってこの当地北大の触媒研究所が存在し、活発な研究がなされていたからでもありますし、堀内寿郎先生がおられたお蔭でもありました。

 その討論会の成り立ちの影には触媒研の管先生、慶伊先生、宮原先生、それに東工大の尾崎先生、東大の米田先生たち、私より何年か年上の優秀で活発な弁の立つ先生方が厚い層を作って協力参画され、研究会でその頃は速度論を中心に非常に厳しい討論をしておられました。これらの先生方の功績は大変に大きく、他の研究会に比べて特別厳しい討論をする会として知られておりました。

 討論の内容もアンモニア合成の機構解明に関連して、「世界的に有名な化学量数stoichiometric number」の議論が出たり、速度論中心に世界のトップレべルの議論をしている自覚と誇りに満ちた討論会で、或いは日本化学会の年会などで、日本の触媒研究の主流を形作っておりました。

 当時若かったし孤立した立場の私にとって学問は真面目に必死に独創的にやるものであると言う、これは堀内先生の個性の反映ですが、独創的な学問の厳しさを教えて頂いた討論会で、今でも非常に有難かったと感謝しております。それは近年の触媒討論会とは非常に異なっていて、殊に私のような孤立した「駆け出し」には「怖いくらいの雰囲気」でした。幾つかのこの種の集まりが実を結んで、正式の「触媒討論会」という名の下に1951年に北大で第一回の全国的な討論会が発足したのであります。

私は1953年プリンストン大学 ・・・ 次回に続く 

 

 これは連載


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