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触媒討論会第100回を記念して(2) [随想]

触媒討論会第100回を記念して(2) 9月17、18日(北大にて)

 結局自分で選んだテーマはパラジウム触媒によるアセチレンの水素添加でしたが、アセチレン1と水素2の混合気体で閉じた系で全圧を測りますと、室温で触媒反応が進むに従い、反応気体の全圧は減少していくのですが、あるところで何もしないのに突然反応が急に速く進むのです。何故なんだろうか、調べてみて結局分かったことは、アセチレンが存在する間はアセチレンが強く触媒表面に吸着していて、後半のエチレンからエタンに行く反応が起こらず、アセチレンが全部エチレンになって初めてエタンの生成反応が急速に進むことがわかりました。全く予期しなかったことでしたし当時誰も知らなかったことでしたが、二つの種類の水素添加が共存しながら別々に起こることが初めて見出されました

註)

 

H2: 水素;  Pd: パラヂウム触媒

アセチレンの水素添加によるエチレンの生成と、エチレンの水素添加によるエタンの生成を化学式で書いてみましたが、もっと解りにくくなりますか。  この二つの反応は同時に起こらず、アセチレンが全部エチレン((1)の反応)になってから、エチレンの水素添加((2)の反応)が始まります。

本文:

 数年後に出版されたEmmettのCatalysisの本に3ページにわたって紹介されました。運が良かったわけです。

 その頃日本の触媒の研究者は北大の触媒研究所を中心に日本化学会その他で討論をしておりましたが、私はむしろ研究室の関連で、コロイド科学討論会の方のお付き合いをしておりました。従って触媒研などの触媒の分野の研究会には出席しても、孤立した「触媒の素人」として見られ、隅の方に小さくなっておりました

 触媒討論会が始まった第一回は ・・・ 次回に続く 

 

 これは連載


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Baldhead1010

原子間の腕の本数がいっしょだというのを、うっすら覚えています^^;
by Baldhead1010 (2007-09-26 07:50) 

Silvermac

「なぜ」を突き詰めることが大切ですね。
by Silvermac (2007-09-26 08:30) 

化学式ですね。
by (2007-09-26 13:38) 

このくらいのところまでは何だか面白そう・・・って言えるみたいです。
by (2007-09-26 13:56) 

化学式などもう忘れていました。
by (2007-09-26 20:34) 

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